病気のこと
この春に診断書が出て、はっきりとした病気になった。
今も治療は続いてるのだけど、
ある程度のことは、書き残しておこうと思う。
病気の原因は、過労だ。
診断書が出る直前、4月の終わり頃、
ほんとうに、そのときは、ギリギリで、
(ギリギリをわりと越えていたのかもしれない)
オンラインで産業医面談がつながったときに
ぼろぼろに泣きながら、
「助けてほしい」
と、ひとこと目に伝えた。
普段は会わない、気心も知れてない人に
あんな風に、真正面から助けを求めたのは、
人生ではじめてかもしれない。
その後、いろんなことがばたばたっと動き、
3ヶ月から半年の休養が必要と書かれていたものの
結局、仕事は休まずに、治療をしてきたのが、
よかったのか悪かったのか、今でもよくわからない。
病気をいろんな人に知られてしまうのも、元に戻らなくなってしまいそうで、どうしたらいいか考えられなかった。
とにかく、考えて、答えを出す行為自体が、
ひどくあたまが痛くて、できなくなっていた。
そんなところからはじまった治療と
毎日変わる症状ががつらくて、
並行して仕事をするのも、たいへんな日が続いた。
病気は、なってみないと、怖さがわからない。
この病気のおそろしさもそうで、しみじみと感じた。
いつもならできたことができなくなったり、
仕事の細かいことを時系列で覚えられなくなったり、
ホームや出口を何回も立て続けに間違えたりしてると、
そのうち、大切な娘との会話や記憶も忘れていってしまうんじゃないかと、忘れることがとても怖くなった。
薬もなかなか、合わなくて、
変えるたびに、初日は副作用が強いことが多かったし、
午前中、起き上がれなくて、
フローリングに泥のようにべったり張り付いたまま過ごす日もたびたびあった。
平日、無理をして仕事をしてるからか、
週末はベッドから夕方まで起き上がれない土日が続いた。
できないことが増えていくのは、ただ眠ることが今は必要だと思って、あきらめるようにしていた。
それでも、いちばん、つらかったのは、
副作用で、毎晩眠るたびに悪夢を見続けることだった。
そのときは、食欲が落ちてしまい、
食べるとすぐに気持ち悪くなり、食べられず、
一気に体重が落ちてしまったので、
多少しんどくても、治療をしないと、と思っていた。
食べられない状態が続くと、入院になってしまうから。
でも、そのときからの薬がきつかった。
眠らないとよくならない、
食べられないとさらに悪くなる、
だから、眠ろうとすると、
毎晩、悪夢を見続ける。
眠ること=悪夢を見ること
眠ることがその通過儀式のようになり、
起きているときのしんどさよりも、逃げられないのできつかった。
いつも襲われる夢を見ていて、
そのときの感覚が、夢の中でもフラバ状態になっていて
見るたびに怖さは増していく。
そういうことが続いたある夜、
夢の中で、また襲われる直前、助けてほしくて、
一瞬目覚め、枕元に置いていたスマホで、深夜、コールしてもつながらなかったことに絶望しながら
また夢の世界に引きずり戻されて、朝まで夢を見続けた。
さすがにその日の朝は、
もうこんな思いをするなら、
薬は飲みたくない、
もう治療はしたくない、
目覚めてすぐに、強くそう思った。
しかし、ここでも、
産業医に相談した内容を主治医に伝えると、
面白く思わなかった主治医が感情的になり、
心底、もう、そのとき、いろんなことにつかれた。
誰かの不安定に振り回されるような余裕はなかった。
わかってると思っていた主治医が
感情的に投げてくる言葉に、大袈裟ではなく、突き落とされた。
こんなことを終わらせるのは、
自分は元気になった、だからもう薬は飲まない、と思い込んで薬を飲まずに過ごすか、死ぬか、のふたつしか思い浮かばなかった。
その夜、自分を信じて、緊張しながら薬をやめてみたら、
なかなか、眠れず、翌日は一日中頭痛が続いた。
産業医からも急に薬をやめると、
それはそれで副作用があるとは聞いていて、
もう、このスパイラルから抜けられないのかと思うと、
どうしてこんなことになってしまったんだろう、と泣くしかなかった。
結局、悪夢を今のところ見ていない飲み合わせで、薬は続けることにした。
そうこうしているうちに、
少しずつできることが増えてきたような感覚がでてきたのだけど、また仕事時間も増えてきてしまっているのが、今。
この先、どうなるかわからない。
周りに見せようとしている自分より、よくなっているとは思っていない。
それともこのまま、この病気と一緒に生きていくのか。
とにかく、また、最近、頭がいたい。
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病気になる予兆は去年からあった。
時系列で覚えている限り、書き残す。
8月…週末になると顔が腫れる。クインケ浮腫と診断された。気道が詰まると、最悪死ぬ、原因不明で対処療法もほぼない病気だ。
自分ではコントロールできないくらい仕事量が増えて、それが、常態化していた頃だった。
12月…円形脱毛が発見される。さすがに毛が抜けていたことはショックだった。
(1月…元旦からコロナになり、下旬まで引きずった)
2月…頭痛と不眠が続くようになる。残業もかなり。
3月…微熱と不正出血が続く。婦人科でさんざん検査したが原因不明だった。
メニエールではないけど、突然のめまいで動けなくなることもたびだびあった。
残業も続くし、会社をやめていく人がたくさんいて、悲しかった。
4月…頭痛、不眠、微熱、不正出血、めまい。仕事で頭が回らないことがふえていく中、仕事量がピーク。もう、無理だった。
病気が、こわい。